第79回

 忙しい、という言葉が言い訳でなしに本心から出てくる今日この頃なんである。仕事があるのはいい事さね、というのはあくまで社交辞令なんであって、やっぱり俺も人の子、休みは欲しいんである。っていうかこのページのためにも休みは絶対に必要なんである。
 でも、である。時給で働く身、少しでも多く出ておいたほうが儲かるのも事実。まさにタイム・イズ・マネーですな。少しは仕事を断ればいいのだろうけれど、根っからの貧乏性、というか、お人よしでもって何とも断れないんだなコレが。自分でお人よしと言うのも何だか後ろ暗いものなのだが、これは「悪い意味での」お人よしなんである。自分の意志がないのはやはり良くない。世間にはありすぎて困る人もいるけどね・・・。
 
 しかし忙しい忙しいと言いながらも、前の仕事をしていた頃よりははるかに精神が衛生的な俺。働く仲間がいて、働いただけきちんと賃金が出て・・・。民主主義にはいい面も悪い面もあろうが、こうしてきちんと地道な労働に対してそれに比例する賃金が支払われるのはやはり喜ばしいことなんである。毎月の給料の振込額を見る度に「俺は時間と夢を切り売りしている・・・。」だなんて青春まっただ中チックな熱い台詞を頭の中で呟いたりすることもあるのだが、それはただ純粋に、俺が売った時間に対する対価。そしてその時間を喜んで売っているのは他でもない俺自身なんである。その点がまさに民主主義だ。働かない者には金が入らず、働いた者には金が入る。

 ああ、俺と俺の生活はこの半年で革命されたのだなぁ。封建主義から民主主義への大いなる転換。これは俺が全うな(全うな、という言葉も大変危なっかしい言葉なんだけれど)、否一般的な社会人になったということの証でもある。様々な様相で、正に人生における職業を「コスプレ」だと考える俺にとってこうしたシステムの中で生きてみることはやはり必要だったのだ、と思う。封建主義から民主主義へ。狩猟生活から農耕生活へ。そんな生活をいつまでも続けていられる保証がない、というのもまた民主主義の特性なのだが、様々な様相で生きられる、というのもまた民主主義の恩恵だ。素晴らしき哉民主主義。ていうか労働時間に比例する賃金。

 ちなみに俺の先月分の労働時間は299時間。週40時間なんて夢のまた夢だがまあいい。ちなみにこれは12.5日分の徹夜に匹敵するんですねぇ。あな恐ろし。そんな事を計算してる暇があったら、仕事しろ・・・。



メール

帰省ラッシュ