第61回

 農民文学とか、プロレタリア文学ってあったけど、「農民写真」とか「プロレタリア写真」って今まで無かったなあ、と俺はある日仕事帰りのルートバンの中で思っていた。国道16号の夜景を網膜の上に無意識に流し、わかばの紫煙にむせながらそう思ったのである。最悪、鉛筆一本から始められる文学に比べて写真は圧倒的に不利なんである。カメラさえあれば撮れるものじゃない。フィルムを詰めて、それを現像して、プリントする工程にいかほどの金がかかるかは、このページの読者の方なら容易に想像できることであろう。
 こんな時に必ず思い出すのは森山大道の苦労話である。「ブレボケ」写真の旗手である氏の写真は、知り合いから貰った映画用の質の悪いフィルムによって作られたという事実。また最近話題(?)の金村修(都市の景色の人だ)はNHKの深夜番組に出るようになった今でも新聞配達やら何やらをしているらしい。変な高校に行ったからいい大学に入れない、的なひがみが俺の心に今巣くう。吉本ばななもデビューするまでに10以上のアルバイトを点々とした「プータロー」だった。
 ひがみとも焦りともつかない気持ちを肉体労働によって昇華させる日々。そんな気持ちさえ失ったら最後だぞと自分に言い聞かせながら俺は今日もモップを握りしめるのだが、その柄の汗が現金に変わるころになると忘れかけてしまうのだ。

 そういや前回のオフ会の感想をまだ書いてませんでしたなあ。っていうかもう1〜2週間後にはやりますわよ。第三回オフ会。別名「鯖味噌さんを囲みつつお土産を受け取ろう会」!!いや、お金は払うんだけどね<俺。鯖味噌さん東京都民だからなあ・・・。今度はどこでやろうかしらん。ご意見をこっそり待つ!!それに伴う遊び方のネタも募集するぜ!!前回は終電逃したから今度はもっと早めに集合しようか・・・。



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