毎年恒例で休みになると風邪をひく俺なのであった。妻帯者となって2年目のこの冬は、妻も同時発病というオマケつきだ。最初は俺の方が熱を出したのだが、前々から寝起きの悪かった妻も昨日になって熱を出しはじめ、家では何ヶ月ぶりかで店屋物を取る羽目に陥ってしまった。 しかしこのあたりにはロクな店がない。普通の街にならどこにでもあるようなラーメン屋とかそば屋の類が一切と言っていいほど見当たらないのだ。あるのは「ジョナサン」なるファミリーレストランのみ。で、その替わりだとでも言いたげに家のポストには様々な宅配モノのビラが入ってくる。宅配ピザは言うに及ばず、「宅配釜飯」「宅配中華」「宅配仕出し弁当」などなど、しまいには「宅配マッサージ」やら「宅配裏ビデオ」のビラまで入ってくる始末・・・。常々煩わしいと思っているこのビラたちを、昨日ほど有り難く思った事はかつてなかった。引っ越してきたころは「何かの役に立つだろう」と思って取っておいたそのビラたちも、3日に一度は入ってくるというペースに堪えかねてごみ箱に直行するようになってどの位経っただろうか・・・そう、手元にあったのは「夏メニュー」ばかりだったのであった。 でも電話番号に変わりはないだろう、ということで俺たち夫婦はその中の1件に電話を掛けた。手慣れた口調でこちらの電話番号から訪ねる店員。何故名前も住所も言わないうちから?しかも初めての店なのに・・・?と思いながらも答えると、「板橋区向原云々、何とかハイツ何号室の若林さまですね」と突然言われたのだ。恐ろしいねえ。ウチ、タウンページに電話番号載せてないのに。そういえば最近のカーナビもそうだ。電話番号を入れただけでその家にたどり着けるのだという。いったい誰がそんな見知らぬ土地の個人の家に行こうとするのだろうか?いくらDVDの容量が潤沢だからといっても、それではストーカー御用達アイテムに成り下がりはしないだろうか?まあ、全然関係ないんだけども。 で、俺はその「夏メニュー」の中から「鷄竜田揚げ御膳」を指名した・・・と、「今は扱ってないんですけど」「じゃあ、あとなめこ汁を」「いやー、現在ほうれん草みそ汁しかやってないんですよー。」てな具合。やたらとメニューが変わるからこそ、彼らはビラを何回も配るのだということを実感した冬の夜なのだ。今度からちゃんと目を通してから棄てることにしよう。でもアレですな。同じビラを同時に2枚も3枚も入れたり、午前と午後に1枚ずつ入れてゆくのは御勘弁願いたいものですな。 最近ではコンビニでも宅配サービスがあるのだそうな。確かにこういう病気の際などにはとても重宝する。使えるサービスも、自分が使いこなせる体制でいなければ使いこなせないぞ、というお話でした!今度はマッサージでも呼んでみるか・・・('-^) |