第419回
遅ればせながら、先日発売されたMac OSXの最新バージョンであるところの「Snow Leopard」の話などをしてみたいと思う。とはいってもさほどいじっているわけではないので、インストールの時の苦労話なんかがメインになってしまうと思うのだが、何かの参考になればと思って書き進めてみたい。 時は8月半ば、早くても秋冬だろうと思われていたSnow Leopardの発売日が突然発表された。何と、8月28日。こんなOSの発売日が変更になるなんて、普通は遅らせる方向になるのが普通だろうに……さすがAppleのすることはひと味違う。で、速攻でApple Storeにアクセスして超高速で必要事項を入力、無事発売日にゲットすることができた。 届いたパッケージには、そのものズバリ「Snow Leopard」、つまりユキヒョウの写真がデカデカと印刷されている。かつてのOSX、否、その他のOSをみてもパッケージにこんなに大きく動物があしらわれている例はなかったのではないだろうか? 残業帰りの目にしみるそんなルッキングがたまらない。ネコ科の猛獣シリーズで最近来ているOSXのネーミングだが、あと何種類残っているのだろうか……。 で、早速インストールに移ったわけだが、俺のMacBook Pro(early 2007)にインストールDVDを挿入し、インストーラーのアイコンをクリックしてみると……「GUIDパーティーションでフォーマットされていないのでウンタラカンタラ」と言ってインストールさせてくれない。Why? なぜ? なぜなぜどーしてちゃん? なのである。普通に新品を買ってきて、そのまま使い続けているMacならば問題はなかったのだろうが……(1)昔のPowerBook時代から「移行ツール」で環境を移行させつづけてもう3世代目になること、(2)昨夏、純正ハードディスク(120GB)から320GBのモノに換装していること、などが原因として考えられた。むしろ後者を買ってきたときに、フォーマット形式を違うものにしてしまった(かもしれない)のが強い理由なのではないだろうか。 早速、パーティーション形式の変更を試みる俺。「ディスクユーティリティ」を開き、いろいろと試行錯誤してみるも、結局再フォーマットしなければ変更はできない模様。いくつかのネットの記事をみても、それは明らかなようだった。クリーンインストール……何年ぶりの所業だろうか。この10年来のエ社の軌跡が残るハードディスクのフォーマットを極力避けながらここまで来た俺にとって、これは非常に勇気の要る決断ではあった。しかし、Intelになってもそんなレガシーを引きずり続けるのはいかがなものか。もうPowerPCをサポートしなくなった新OSを迎え入れるのだから、そのくらいのリスクを負うのは当然……と無理矢理自分を納得させ、家にあったどうでもいい外付けハードディスクに「Time Machine」でデータを移動。土曜の深夜にはじめて、結局翌朝までかかった次第。 そして翌日。まっさらになったハードディスクにSnow Leopardをインストール。インストール時間が大幅に短縮されたといわれるSnow Leopardだが、いちいち各OSごとのインストール時間を測っていたり、覚えていたりするほどのマニアではないのでさしたる効果は感じられなかった……。で、それよりもたまらんことになったのがバックアップデータの書き戻し。昨夜ほどではないにせよ、結局5時間ほどかかり、なかなかSnow Leopardに触らせてもらえない俺なのだった。 しかし、すべてが完了してしまえば動作は超快適。アプリケーションも書類もすべて、再フォーマットしたとは思えないくらい同じ場所にピタっと戻っており、かえって心配になるくらいである。また、PowerPCを切り捨て、システムの効率化を図った効果は噂どおり大きかったようで、ハードディスクの空き容量が10GBも増えてしまった。前評判では知っていたが、本当にあるものなのだと効果を実感。 だが、致命的な影響がなかったわけではない。それは、(1)ATOK2007が動かない、(2)ASMが使えない、(3)アンインストールしたはずの古いノートンが目覚めだし、起動する度に警告が出る、の3点だった。まず(1)なのだが、これは完全に使えないというわけではなく、古い32ビット対応のアプリケーションには文字を普通に入力できるのだが、Snow Leopardに付属してくる64ビット対応の新アプリケーション(SafariやMailなど)に対して文字が入力できないというもの。まあ我慢して64ビットアプリにはことえりを使えばよいのだろうが、実際には非常に面倒なことになるため、Snow Leopard発表とほぼ同時に正式対応を表明したATOK 2009を購入した(Snow Leopard本体よりも高いのは笑い話である)。 また、(2)もなかなか深刻な問題である。ASMとは、OS9時代に存在した画面左上のアプリケーションメニューをOSXに再現するためのシェアウェアなのだが、これをインストールしたままSnow Leopardを起動すると、一見ASMとは関係なさげなエラーメッセージが出る。俺は当初このエラーの原因が全く分からずしばらく苦悶したのだが、エラーメッセージに含まれるファイル名をSpotLightで検索したところASMが当たっているのだと判明。関連ファイルをすべて削除、アンインストールを行ったところ事なきを得た。今のところアップデータは発表されていないようで、非常に残念である。20ドルくらいきちんと払ったのに……。 そして(3)だが、ここ数年「ウイルスバリア」を使っている俺にとって忘れかけていた問題の再燃である。以前、関連ファイルは徹底的に除去したはずではあったのだが……理解不能である。ノートンのアンインストールはいろいろとややこしいようだ。ただ、気合いを入れてネットを検索したところ専用のアンインストーラーが見つかり、事なきを得た。 そんなこんなで1ヵ月超のSnow Leopard暮らしである。さまざまな新機能搭載といわれているが、ユーザーサイドとしてはやはり日々のちょっとした動作が快適なのがうれしい。いい意味で枯れてきたOSXの現在を知るうえで、読者のみなさまにもぜひインストールしていただければと思う。そして、コイツが近日発売の、軽くなったと評判のWindows 7とどんな勝負を繰り広げるのか楽しみである。 |