第408回
世はCore2 DuoだQuadだと騒がしいが、自分の職場で目の前に置いてあるPCはCereron D 2.53Ghzをご搭載遊ばされている。しかもハードディスクは超大容量の40GBで、どんなデータも無尽蔵に保存可能であらせられるので常に残り500MBくらいのところで稼動している。さらに、メモリーはこちらも超絶大容量の256MB。さすがにこれには辛抱たまらず、ソフマップでジャンクの256MB(980円)を買ってきて512MBに増設させていただいた。誰もいないスキに。そうそう、ハードディスクも辛抱たまらんので以前自宅のMacから取り外した120GBを玄人志向のケースに入れてUSB接続しているのだが、こちらも残り7GBあまりとなってしまっている。ちなみに付記すると、OSはXPのSP3である。 そんなわけで、豪華な文体で始めてはみたもののいかにも厳しい動作環境のマシンである。具体的にはわずか3年ほど前の富士通FMV-C630なのだが、なぜにこんな貧弱なスペックなのかといえば、当時のIT担当者が「どうせ編集が文字打つだけだから大丈夫だろう」という理由からわざわざBTOでこの構成にしたのだという。まったく余計なことを……。それでいくら浮いたのかは不知だが、今になって問題が噴出してきている。 朝。ヤングエグゼクティブ(爆)としては一刻も早くメールチェックを行いたいところなのだが、電源ボタンを押し、例の起動時のパスワードを入れてから起動するまでに10分はかかる。正確には、壁紙が表示されてデスクトップにアイコンが並ぶまでにはそこまでかからないのだが、もろもろの読み込みが終わり、安定して使えるようになるまでにそのくらいの時間がかかるのだ。要は、ディスクアクセスランプが止まらないこの間はほとんど起動していないも同然なのである。そしてOutlook Expressを開くのだが、ヤングエ(中略)のもとに届く膨大なメールを読み込むのにこれまた時間がかかる。まったくもって、落ちつかないのである。 そして昼。ヤング(中略)は複数の書類を同時に開いて処理することが多いのだが、すると本体のファンが猛然と回転をはじめる。そう、さながらドライヤーのように熱風を撒き散らし、自分の窮地を訴えかけてくるのだ。すると、IEの表示は極端に遅くなり、Wordのカーソルはどこかに消え去り、結局PC様のペースに合わせてもったりと仕事をするしかなくなるのだ。これが生産性の妨げにならないと誰がいえるだろうか? そこでタスクマネージャを開いて動作を確認するのだが、すべてウィンドウを閉じたはずのIEがCPUパワーの95%を消費していたりして、まったく訳がわからない。さらに、Wordは(設定にもよるだろうが)保存するたびに開いているファイルと同じサイズのキャッシュファイルをハードディスク上にどんどん書き足していくため、時々送られてくる画像ファイルを張り付けまくった100MB近くある文書を編集していると画面の下から「ディスクの空き領域が不足しています」というメッセージが出てくる。そうなると、一度その文書をわざわざ閉じて開きなおすという行為が必要となるのだ。 さらに夜。ヤン(中略)にやすらぎの時間がやってくる……かと思いきや、電源がなかなか切れないという自体に遭遇する。シャットダウンを選択し、電源が落ちるまでに5分ほど……。途中、「このプログラムは応答していません。」というメッセージに対応するのもまた面倒なものである。これが順調なPCなら「シャットダウン」を選択してそのまま鍵を閉めて帰れようものだが、このPCの場合何が起きるか分からないため、結局電源が落ちる最後の瞬間まで見届けなければ安心して帰れないのである。 こんな諸症状をもつ俺の会社PCなのだが、その原因は分かりきっているのだ。おそらく、ハードディスクの容量が少なすぎることによるものだろう。しかし、冒頭で述べたメモリの増設やUSBハードディスクの接続は簡単だが、本体のハードディスク交換はかなり難しそうだ。自分のPCなら新品のハードディスクを買ってきてOSをインストール、そして必要なソフトや書類の移動という段取りができるが、会社のPCの場合すべての環境を確実に移動させねばならず、しかもインストールディスクなども大っぴらには入手できない(いちいち担当者に説明し、納得させるのが面倒)のが実情である。そこで理想的にはBit-byBitですべてを確実にクローンできるソフトが欲しいのだが、そのために金を払うのもばかばかしい。それならば、あまり使わないファイルを外付けに移せば? という声も聞こえるが、多忙な業務中にそんなファイルの選別をしている暇もない、それが実情なのである。いずれリースアップしてしまう機体に金はかけたくないのだが、読者諸氏におかれてはよい知恵があればぜひお貸しいただきたい、そんな昨今である。 |