第397回
雑誌の後ろのほうに、「編集後記」なる短文が並んでいるのを見たことがある方々も多いだろう。これはまさに雑誌の編集者がその号を作り終えての感想を書く欄なのだが、その内容は実にさまざまである。自分が担当した記事についての感想だったり、それとは関係のない日常の出来事だったり、はたまた作家とのやりとりの裏話だったり……。編集者のはしくれとしてはどのような雑誌を見てもついつい目を通してしまうものだが、ここの読者の皆様はいかがだろうか。やはり、見てみたくなるものだろうか? というのも、極めて狭い業界向けとはいえ月刊誌の編集に携わっている俺のこと、ここに何を書くかで毎月毎月、それこそ阿鼻叫喚地獄を味わっているのだ。ここでなら好き勝手書き放題なのだが、医療系の雑誌で、編集長がこだわりの男で、ほんの百数十文字に対しても飽くことなくダメ出ししてくるとなると、書けることはおのずと限られてくる。しかも、その制約の中でできるだけ面白いこと(もちろん医療的な意味で)を言わねばならないのだ。すると、俺はおのずとここの読者の皆様に問いかけたくなる。「本当に、編集後記って読んでますか?」と……。 また、そもそも編集後記というのは編集が終わった後に書いているものでもないという点にも注意していただきたいと思うのである。考えてもみていただきたい。「編集後」と言いながら、それがきちんと文字として掲載されているということは……その後記自体も編集の手を経ているということである。全然「編集後」などではないのだ。ほかの原稿の責了が近づく中、同時並行で書かねばならないのが編集後記―だから、時間は非常にない。編集後記に時間をかけすぎてしまえば、雑誌全体の印刷に入れない可能性もある。編集後記とは、実は非常に恐ろしいものなのである。いつか「これって『編集中記』なんです〜」とか書いてやろうと思っているのだが、まあ余裕でボツであろう。 だから、雑誌を手にする皆様にはこの欄を心して読んでいただきたいと思うのである。まあ、ここの読者の皆様が俺の書いたものを手に取る機会はまずないと思われるが、雑誌を作る人々はきっと同じ思いを抱いていると思うので……。 以上、今週の愚痴コーナーであった。それはさておき、来る8月9日(土)はしりとり専用掲示板オフ会の開催日である。すっかり定番となりつつある、つっちー氏のドライビングによるミステリーツアーだ。できるかぎり多くの参加者を募集中なので、我こそはと思う方はぜひご連絡いただきたいのである。では……。 |