恍惚コラム...

第387回


 さて、先週の続きである。カラオケ館での乱痴気騒ぎを1時間延長した俺たちは、池袋駅でひとまず解散した。帰る場所は都内、埼玉県下とさまざまであるが、まあ今のところ何も聞こえてこないところを見ると皆さん無事にお帰りになったのだろう。さすがに今回は飲み放題だったのをいいことにハメを外してしまったのだが、まだまだ年末である。これからしばらくは酒を飲む機会も多いと思われるので、皆様にはぜひご自愛いただきたいものだと思う。

 何か冒頭から締めに入ってしまうような文体だが、もちろん話はここからである。そう、その後俺と米沢氏、そしてつっちー氏は某誰でも知ってる出版社@文京区に移動したのである。用件は単純で、米沢氏の職場の先輩(フリーカメラマンだ)が中古のPower Mac G5を放出するというので喜んで引き取りに行ったのである。その時、午前12時過ぎ。俺やつっちー氏はさんざん飲みまくっていたにもかかわらず、このために酒を我慢し、車を出してくれた米沢氏に心から感謝申し上げたい。

 深夜の大会社にはちゃんと守衛さんがいる。同じ出版社とはいえ、社員一人ひとりが裏玄関のカードキーを持っている俺の勤め先とは大違いだ。そして仰々しい入館バッジを胸に装着すると、あまりにも広い社内を目的の部屋に向かって歩くことになった。実はここには例のアシスタント時代に何度か来たことがあり、さらには新卒の頃には入社試験まで受けたことがあるのだが、果たしてここまで広かっただろうか? 米沢氏曰く「迷う人もいる」とのこと、至極納得であった。しかし返す返すも、同じ本を出す会社にこれほどの違いがあるとは……。

 果たして俺とつっちー氏は地下のスタジオ(?)が並ぶフロアに通された。さすがに土曜の深夜。徹夜で撮影をしている人などもいないようで、辺りは静寂に包まれている。そして、真っ白な壁と床がいかにもスタジオ感を演出していた。しばらく待つと、米沢氏が件のPMG5とCinema Displayを台車に乗せてやってきた。この買収話がスタートした当時(3週間ほど前か)から、「仕事で使われていたのでそれなりにヤレている」「ラックに乗せていたので、外装にも傷のある場所がある」などと言われていたそのマシンだが、何と元箱つきであった。これは予想外のこと。そして嬉々として箱を開けてみると……。納得のクオリティーである。これ(本体:Power Mac G5 2004年6月モデル、M9455J/A、PowerPC G5 @2.0Ghz×2、メモリ4GBに増設、eSATAカード増設 ディスプレイ:Apple Cinema Display、M9177J/A、20インチ液晶)でコミコミ15万円は安い。安すぎる。今もまだ家に置いてあるPower Mac G4(M9145J/A 、1.25Ghz)の中古を13万円で買ったことを考えると感涙モノだ。この15万円という値段は一般的な店での買い取り価格をもとに決められたそうだが、これと同じセットを店で(もちろん中古で)買えば23〜4万円はするに違いない。個人売買の有り難みと、中古ショップの利益率の高さに驚きである。

 このセットはその後丸3日くらい起動させているが、今のところ不具合は見つかっていない。たしかにマウスには「使い込まれ感」があったが、はじめからMighty Mouseを買っておいたので問題はなし。そして、カメラマンという仕事柄からかキーボードがやたらとキレイな点も気に入っている。処理速度も、この10月にMacBook Proを買ってしまったので「速っ!」という印象は薄い(当然MBPのほうが速いっす……)のだが、重いソフトの起動や特大tiffデータを開くとその軽快さが際立つ。G4のハードディスクをそのままクローンして載せ替えたので、これからいろいろな状況で検証していきたい。まあ、これの元オーナー氏はこのスピードに不満でMac Proに買い換えるそうなのだが、俺が自宅で軽いDTPや写真の整理に使う分にはまだまだ現役である。あらためて、年末に良い買い物をさせていただいた。米沢氏、そして元オーナー氏に感謝である。

 さて、今年の更新もいよいよこれで最後になった。ここ数年、最終更新では1年間にあったことを振り返るのが慣わしなのだが、今年の忙しさは俺史上最強、掛け値なしで1年間が半年くらいに感じられる日々であった。一応仕事納めはしたものの、まだまだ持って帰ってきている仕事もあり、俺の2007年はまだまだ終わらねえ!  とはいえ、個人的な事ばかり書いていても仕方ない。今年一年、ご愛読、そして各種イベントに参加していただいた皆様に謹んで感謝申し上げます。来年はいよいよ9周年! 皆様、よいお年をお迎え下さい……。

 



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