恍惚コラム...

第386回


 昨日・2007年12月22日(土)、第28回しりとり専用掲示板オフ会&川越東高校写真部忘年会が埼玉県内と東京都内を舞台に行われた。写真部忘年会は毎年この時期の恒例行事なのだが、オフ会が先々週にひきつづき月2回行われるのはきわめて異例のことである。いつも忙しい忙しいと言っているが、まあ時間は捻出すれば何とかなるものだなぁ、と思った次第。まずはここで、参加者各位にお疲れ様、と申し上げておきたい。今年もあと1週間ということで……。

 さて、当日朝の待ち合わせ場所はいつもの大宮・朝10時。冒頭からの参加者はおなじみつっちー氏と俺の2名。何しろ急に決まったことであり、この人数なのは致し方ないところだ。で、最初の目的地は今話題の鷲宮神社。関東最古の大社とされ、天穂日命とその子の武夷鳥命、および大己貴命を祭神とする由緒正しい神社なのだが、ご承知のとおり最近ではアニメ「らき☆すた」の登場人物が住んでいる(という設定の)神社として大きいお兄さんたちから熱い視線を集めている場所である。

 大宮から宇都宮線で久喜まで。そして東武線に乗り換えて鷲宮駅に到着。ここまで30分あまりか。あいにくの雨模様ということもあり、駅前はとても閑散としている。最近の話題ぶりからすればもっと他に巡礼者がいてもよさそうなものだが、もしかすると旬は過ぎてしまったのだろうか? などと思いながら歩きはじめると、早速最寄りの本屋にポストカードの販売と「絵馬ストラップ」の販売を告げるポスターが。やはりここはいろいろな意味で聖地なのが知れたが、それにしても徒歩10分あまり。至って普通の田舎町(失礼!)の光景が広がっていた。……しかし、である。例のオープニングに出てくる景色が近づいてくると、何だか楽しげな表情を浮かべた大きいお兄さんとすれ違ったりして、とても不思議な気分にさせられた。

 果たして鷲宮神社に到着。目の前の茶店のそばの掲示板にはなぜかチョークで「らき☆すた」と書かれており、先述の「絵馬ストラップ」の張り紙がしてある。そしてその足下には、御影石とおぼしき石にその神社に住んでいるとされるキャラクター2名の絵と「らき☆すた」「鷲宮町商工会」の文字が彫られた巨大な絵馬が……その光景にしばし見入る2人。「聖地だ……」しかしその後、われわれの想像を超える事態が起こったのである。

 「何かの撮影かな?」その茶店の前は駐車場になっているのだが、そこに停められたワンボックス車の周囲でロケの準備をしているスタッフが目に入ったのである。さすが話題のスポット、こういうのも来るわけだ……などと思っていたら、そのスタッフが3人連れでこちらに向かって来たのである。いかん、これではわれわれが鷲宮神社に来るヲタ代表みたいになってしまうではないか! と思ったのもつかの間、俺たちはでかいテレビカメラとモフモフのついたマイクに囲まれ、いきなり質問攻めに。ジャンパー姿の、若いディレクターと思しき男が申し訳なさそうな関西弁で語りかけてくる。「ここは初めてですか?」「もちろん、らき☆すたは見てるんですよね?」「こういう風にアニメに登場した場所を巡る行為は何と呼ばれているんですか?」「こういう行為自体をどうお考えですか?」……などなど。たしかにらき☆すたは見ている俺だが、ただ話のタネに来ていただけのこと。もっとテレビ(ビジュアル)的においしい人材は他にいるはずなのだが、カメラを向けられてはどうしようもない。ひたすら当たり障りのないことを答えるショボいリアクションだ。しかも、周りにはわれわれ2人以外に誰もいない……。これは関西方面のテレビ局で近日中に流れる? ハズなので、チェックできる方はチェックしてみていただきたい(おそらく、ABCテレビで平日の夕方に放映されている「ムーブ」とかいう番組だと思われるんだが……そのうちニコニコとかYouTubeに上がったりして……)。

 鷲宮神社の境内はいたって落ち着いた場所である。 鬱蒼と生い茂る森の中にはいくつかの神殿が設けられており、本当の意味での聖地であることは間違いないところなのだが、やはりここで言及せざるを得ないのがそこにかけられた種々の絵馬についてである。すでにネット上でもさまざまな画像を見ることができるが、実物を目の当たりにするとその情熱およびクオリティーに圧倒される。「かがみ」「つかさ」を中心に、らき☆すたのあらゆるキャラクターが絵馬に描かれているのである。当然画力の差はあるものの、キャラに対する情熱が痛いほど伝わってくるのだ。そして目を引くのは、そのほとんどに「○○(←キャラの名前)は俺の嫁」と記されていること。斯界では定番の台詞なのであろうが、ここまで口を揃えなくても……。と思わされた次第である。

 そうこうしているうちにお昼時である。そこでわれわれは大宮駅まで戻り、先々週のオフ会のキーワードともなった「テラ」「メガ」にちなんでマクドナルドの「メガマック」を試してみることにした。メガマック。このエコ時代、そして諸物価高騰の折に逆行するアイテム……。われわれは殺人的に混雑した店内でそれと遭遇した。デカイ。といってもビッグマックの2倍まではいかない程度なのだが、実際に食べ始めてみるとそのボリュームに驚かされることになる。で、しだいに具がはみ出してきてしまうのだ。手はベトベトになるが致し方ない。そこで添えられたポテトやチキンナゲットでそれをビミョ〜に拭きながら食べ進む。もの凄い満腹感である。たかがハンバーガーにこれほど苦戦することがかつてあっただろうか? 目で見えるサイズよりもかなり胃の中で膨張しているようなのである。おそらく、(調べたくもないが)ものすごいカロリーなのに違いない。後述する飲み会の時にも食欲が湧かないほどで……。

 さて、そんな濃い昼食を済ませたわれわれ2人は第二の聖地・交通博物館へと向かった。こちらも、もはや幣サイトの読者諸氏には説明不要であろう。JR発足20周年を記念してさいたま市に設立されたそこは「秋葉原時代」とはまったく桁違いのスケールで、1度行けば軽く3時間は覚悟しなければならないほどである。鉄道にはそこまで造詣の深くない俺ではあるが、古今の鉄道事情について多くの実物を交えた展示がなされており、たいへん勉強になる。正直1,000円の入場料はどうかと(秋葉原時代が安すぎたのであろう)思ったのだが、この内容であれば納得である。しかも3,000円で年間パスポートをゲットできるとあってはもう行かないわけにはいくまい。本当のお兄ちゃんから大きなお兄ちゃん、そして家族連れやカップルまでが楽しめること請け合いである。(もちろん男の2人連れでもまったく違和感がなかったし、そういう感じの人が多かった)われわれも隅から隅まで堪能させていただいた。

 その後、会場は池袋へと移る。ここからは川越東高校写真部恒例の忘年会である。もちろん、つっちー殿もゲストとしてご参加。定番の「天狗」で3,000円飲み放題コース。先述のメガマックのおかげで食欲があまり湧かなかったのだが、このコースの料理の量からするとちょうどいい腹具合だ。こちらに参加したのは米沢氏、たーお氏、老山氏に俺とつっちー殿を加えた5名。川越東高校写真部なき今、われわれはここで近況の報告をしあうことがほとんどである。果たして、時代は動いている。仕事の話やら家を買う(買った)話、嫁を娶る話や子どもを作る作らないという話……。このように、セブンティーンの頃の俺たちにはとても想像できなかった話題が次々に飛び出すとさすがに歳を取ったことを自覚せざるを得ないのだが、これはこれである。美しい夜ではないか。

 もちろん二次会はおなじみのカラオケ館である。ここからはあの伝説の(!)鶴田氏も飛び入り参加。例の如くアレな選曲で3時間も盛り上がってしまった。アニメソングというのは実に奥が深い。いったいこの世には何曲くらいの曲数があるのだろうかと思わされる。そして歌詞が熱い。これは俺の持論なのだが、いわゆる「アイドル然とした歌手」がいなくなった現在、こうした役割は声優あるいはアニメソングが担っているのだと思う。だからどうだというわけではないのだが……。

 そんなわけで更けてゆく忘年会の夜。実はこの後自分にとってもう一つイベントがあったのだが、これは次回また書くことにしよう。今年もあと1週間。うまくいった人もそうでなかった人も、とにかくお疲れ様でした。そして、忙しい合間を縫って集まっていただいた全員に感謝を!

 



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