それは1999年の秋、一時の思いつきから始まった。「掲示板の書き込みが伸び悩んでるなー、何か一つのお題があればそれをめぐった書き込みが続くはずなのだが……」当時より写真部関連の掲示板は設けていたものの、書き込みが滞りがちだった弊サイトの掲示板。それはそれで、まだ写真部が健在だったころのお話だから今よりも活発だったのではあるが、まだ20代前半、血気盛んだった俺は弊サイトの人気をより高めようと思っていた。まだまだ個人ホームページの全盛期だった90年代末。ネット上には、まだまだ個人の創意工夫があふれていたような気がする。たしかに荒削りなデザインのサイトも多かったが、それはそれである種の熱気が感じられたというものである。

　で、思いついたのが「しりとり専用掲示板」、これである。身近なお題、そしてどうしても続けざるを得ないこの構造……。今思えば至極当然の仕掛けではあったのだが、これを思いついた当時の俺は欣喜雀躍した。小竹向原の薄暗いアパートで、明日をも知れぬカメラマンアシスタント生活に身をやつしていた俺は、とにかく楽しめることに飢えていた。そこで俺は、その部屋唯一の高級品―Power Mac G3―に灯を入れてネットにつなぎ、無料レンタル掲示板をひとつ借りた。そしてその掲示板に「しりとり専用掲示板！」と名付けたのである。1999年9月9日、午後7時ごろのことであった。

　記念すべき第１回の書き込みは、俺自身で行った。「エクスタシー」。次は「し」。そして、その後の皆様の反応はものすごかった。その日のうちに３カキコ、1週間で53カキコという爆発的な大ヒットを記録。それでもまだまだ、これがまさか10,000回も繰り返されるとは夢にも思わなかった俺である。以下、1,000回ごとに振り返ってみよう。

1,000回目：「[1000] ロサボール 投稿者：Ｏ倉Ｙ一郎 投稿日：99/12/01(Wed) 01:43」
このころの世相：山形新幹線が新庄に延伸、京都小学生殺人事件、マカオがポルトガルから中国に返還、2000年問題

2,000回目：「[2005] 和泉守兼定（ーかねさだ）投稿者：ちゅーやん 投稿日：2000/04/07(Fri) 10:11」
このころの世相：小渕首相死去、バスジャック事件、「カミノクニ」発言、雪印集団食中毒事件

3,000回目：[3005] 駒田徳宏（こまだのりひろ） 投稿者：後三条友美 投稿日：2000/09/06(Wed) 00:22」
このころの世相：三宅島全島避難、シドニーオリンピック開催、巨人1996年以来のリーグ優勝

4,000回目：[4005] スーパーエレクト大戦　Ｓ　ＥＸ（えす　いーえっくす）投稿者：ＨＡＬ 投稿日：2001/02/07(Wed) 00:44」
このころの世相：えひめ丸がアメリカ原潜と衝突、Mac OS X発売、ユニバーサルスタジオジャパン開園

5,000回目：「[5005] キララ 投稿者：Ｈ∀Ｌ 投稿日：2001/10/29(Mon) 23:22」
このころの世相：アメリカ炭疽菌テロ、アメリカアフガニスタン侵攻、iPod発売、Windows XP　OEM版発売

6,000回目：「[6006] スイフト　投稿者：rinzo 投稿日：2002/04/30(Tue) 23:44」
このころの世相：ゆとり教育スタート、山手線でE231系500番台車両が運転開始、ワールドカップ開催

7,000回目：[7006] ミサ 投稿者：若林＝エクスタシー＝茂樹 投稿日：2002/11/28(Thu) 19:57」
このころの世相：東北新幹線盛岡〜八戸間延長開業、埼京線恵比寿〜大崎間延長開業、H-�UAロケット4号機打ち上げ

8,000回目：「248.　飯匙　若林＝エクスタシー＝茂樹　2004/09/28 (火) 06:58」
このころの世相：北オセチア共和国学校占拠事件、胡錦涛就任、第２次小泉改造内閣発足

9,000回目：「1271.　クレフト　若林＝エクスタシー＝茂樹　2006/04/03 (月) 07:36」
このころの世相：トリノオリンピック開催、WBCで王ジャパン優勝

10,000回目：[266] 彩弧由貴(さいこゆき) ：M沢＠川東 [埼玉] 2007/11/14(水)18:32」
このころの世相：鉄道博物館開館、パキスタンに戒厳令、Mac OS X 10.5（Leopard）発売

　何と、1,000回目まではわずか3ヵ月足らずで達成していたことがわかり、興味深い。また、今では当たり前に使っているOSXやWindows XPもしり掲の歴史に比べれば短いという点もまた感慨深いのではないだろうか。

　10,000回に達するまでのこの8年間、弊サイトにも、そして読者各位にもさまざまな出来事があった。俺自身、この間に3つの仕事をし、取り替えたパソコンは数知れず。そして住む場所さえ……。今後、この板がどこまで続くのかは不知だが、また皆さんとともに喜びを分かち合っていければと思う。ここまでおつきあい下さったすべての方に感謝！