恍惚コラム...

第380回

 第377回で、「そろそろパソコン買うかも〜」みたいな話をしたが、やはりやってしまった。新OSの登場を待たず、物欲に任せて購入したのは「MacBook Pro 2.2Ghz」(以下、MBPと略)、コレである。当初はデスクトップの方を買い換えるつもりだったのだが、予算の都合上断念。で、「週に1度しか立ち上げないデスクトップを買い換えるよりは、毎日使うノートパソコンを買い換えたほうが絶対リーズナブル!」と自分を納得させたうえでのご購入である。やはりどんなものであれ、新品のパソコンを買うのは超快感である。

 さる9月30日のこと。こいつの購入を決めて大宮へと繰り出した俺たち夫婦なのだが、ここからがちょっとした苦労話となる。先述のとおりデスクトップのほうを買い換えるつもりで、かねてから妻にそうした意向を伝えていた俺。アパートの奥の座敷に置いてあるPowerMac G4のプラスチッキーな質感に辟易していた妻は、頭の中でこれがMac Proと置き換わる様子を想像しては期待していたらしい。だが、臨時収入のあてが外れてノートパソコンにした、と告げたところ猛反対。曰く、「こんなまったく同じようにしか見えないパソコンを買ってどうなるの???(怒)」第377回で述べたとおり、以前使っていたPowerBook G4と、このMacBook Proは俺が見ても遠目からは区別がつかないほどの激似っぷりなのである。妻がそう言うのももっともではあるのだが、中身は格段に進化しているのだ。Core 2 Duoの2.2Ghz、ハードディスク120GB、LEDバックライト採用でバッテリーも超長持ち……。このあたりを説得するのに、いったんソフマップで店員を呼び止めかけた俺はダイエー1階の喫茶店に妻を連れ込む羽目になった。その場でのモメっぷりを見た人々は、きっと誰もが「この夫婦、ヤバイのでは?」と思ったに違いない。きっと、世の男たちはこの代替えにあたって相当苦労していると思われる。こうした完成度の高いデザインは大歓迎だが、少しは「誰が見ても変わった」ポイントがないと婦女子の財布のヒモを緩めるのは難しいのかもしれない……。

 ともあれMacBook Proである。Intel Macが登場してからまもなく2年。MacのラインアップがすべてIntelに置き換わってからは1年あまりか。とうとう宗旨替えのときがやってきてしまったわけだが、何の違和感もなく移行できたのはさすがである。ここ数年、新品のMacは起動すると「移行ツール」というソフトが起動するようになっており、表示される手順にしたがって旧Macと新MacをFireWireケーブルで接続すれば自動的にソフトも書類も、メールボックスの内容も環境設定もそのままコピーできるようになっている。あまりに簡単すぎて拍子抜けしてしまうほどなのだが、使い始めて2週間、今のところ欠落しているデータはないようだ。だが、欠落しているからといってどうすることもできないのもまた事実である。なぜなら、旧PowerBookは周辺機器の購入代として速攻で売り飛ばしてしまったから……。

 ただ、Intel版ならではの悩みも当然ある。それは、以前のMacが積んでいたMPU・PowerPCとの互換性の問題だ。この互換性、表向きはIntel版OSXに内蔵されたエミュレーター・「Rosetta」が吸収してくれるため動かないソフトはほぼ皆無なのだが、やはりPowerPC版で書かれたソフトをIntelのコードに逐一変換して実行するよりも、はじめからIntelのコードで書かれたソフトの方が速いのは明らかである。で、ここで問題となるのがAdobe社の各種ソフトである。俺が大金をはたいて買った「唯一の」ソフト群(Creative Suiteだから「群」なのだ)。これをアップグレードしないとIntel本来のスピードを発揮できないのは苦しい。まあ俺の用途ではCS2を走らせていても必要十分なのだが、せっかくだから……という気にはなる。せめてPhotoshopだけでも入れたいのはやまやまなのだが……それは今後の課題であろう。この他、フリーウェアやシェアウェア類を洗い直し、新しくIntel版が出ていれば入れ直す、という作業も必要となっている(こちらはこちらで楽しいのだが)。しかし、全体的な動作速度はどのソフトでも速くなっているように感じる。

 今さら人柱ということはないだろうが、やはりIntel Macは俺にとって未知の世界である。今後どのような事態が起きるのか、できるだけ以前と同じような状態で使い倒しつつ推移を見守っていきたい。で、また新OSが出たら悩むのだろうな……と悶々とする今日この頃なのだ。



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