恍惚コラム...

第367回

 昨日、東京は秋葉原および池袋において第26回しりとり専用掲示板オフ会が挙行された。2年ぶりの秋葉原開催に集った参加者はつっちー氏、おて人氏、139氏、そして俺の4名。梅雨とはとても思えない晴天のなか、われわれは果たしてどんな行動に出たのか!? 以下にレポートしていきたい。

 朝10時。聖地秋葉原の朝は早く、電気街口には多くの謎な人種が待ち合わせに立っていた。あからさまにリュックを背負う人、チェックのシャツを着こなす人、そしてゴスロリやインド人……。少し早く到着した俺は、そんな人々を何とはなしに眺めていたのだが、そこにつっちー氏登場。午前中はまずこの2名で行動開始。人間観察もそこそこに、俺たちは目的も決めずUDXのほうへと歩き出した。

 とにかくアツい秋葉原。人もアツければコンクリート敷きの地面もアツい。中央通りには何かを求める男たちが列をなし、その景色をよりいっそう暑苦しいものとしていた。で、あてのない俺たちはとりあえず手近なパーツショップへ闖入。最近とみに激安となったCFカードや何に使うのか分からないパーツ類を見ながら秋葉原を体感した。その後もメッセサンオーに行って同人ソフトを見たり、「女性専用」の同人コーナーをドアの外から眺めたり、レトロ系のゲーム店を冷やかしたりしながら時間を過ごした。秋葉原は朝11時オープンの店が多いため、はじめは見るべきところが少なかった。しかし時間が経つにつれ、街の熱気は高まってくる。俺が十数年前に見たパーツ街の顔はもうわずかで、「萌え」「アダルト」の匂いが街の隅々から漂い始めるのである。よくよく考えれば、巷で入手困難となっているWiiなどもヤマダ電機で頼めばいつかは手に入るのである。無理をして秋葉原に繰り出すよりも、リーズナブルに電機製品が手に入るこの時代。秋葉原が電機を捨てて萌えに走っても、もう誰も止める権利はないのではないか。

 お昼前。電気街口のそばでは時東ぁみが握手会をしていた。それを何とはなしに眺める俺とつっちー氏。前の方では何かのCDを買った男たちがぁみ嬢と握手をしている。それを見ながら俺たちは、「直前に違う男と握手してるんだから、意味ないじゃん」と口々に言いあった……。で、そのしばらく後、俺たちは139氏と合流して3名となった。

 時刻は12時30分くらいだっただろうか。時間的には昼飯時である。で、われわれは午前中に見つけておいた「Akiba Noodle さくら」へと向かった。ここは今話題のインスタントラーメン店である。日本全国から厳選された400種類のインスタントラーメンを自由に選び、それをその場で調理してもらって食べるという趣向なのである。何だかいかにも、という趣ではないか。というか、「見た瞬間に即決した」という方が正しい。

 中央通りをしばらく歩き、店の前に到着。看板が出ていなければ誰もここに食べ物屋が入っているとは思わないであろう雑居ビルだ。店はこの2階。返す返すも食べ物屋的でない階段を登っていくと、果たしてその店はあった。8畳程度のスペースの中央に10席程度のテーブルがあり、部屋を取り囲む棚には所狭しとインスタントラーメンが並べられている。どこでも見掛けるようなものから、地方にしかないようなもの、そして韓国・タイ産のものまで、いったいどこから集めてきたのかと思わせるインスタントラーメンのオンパレードだ。

 これは正直悩む。値段はチキンラーメン(生卵入り)が190円と最安なのだが、ここまで来てどこでも食べられるチキンラーメンを選ぶのは芸がない。さりとて、目の前には未知の銘柄ばかり。パッケージを見ているとどれも趣向が凝らされており、はっきり言って「どれを選んでも同じじゃないか?」という気になるほどの規模なのである。……で、結局俺がチョイスしたのは「ポンちゃんラーメン みそ味」。長野県生まれのこのラーメンはとても素朴なお味。少し硬めの煮込み具合と大量の野菜が相まって、とても健康的なイメージであった。ちなみにポンちゃんを注文した後、俺は棚から「鴻巣ラーメン キムチ味」を発見してしまった……オフ会的にはこちらの方がナイスなチョイスだと思われたのだが、もうポンちゃんは鍋の中だ。それにしても、鴻巣生まれのインスタントラーメンがあったとは意外な発見である。

 で、午後も引き続き秋葉原を探索。とくに目的地を決めていなかったわれわれ一行はあっちへ行ったりこっちへ行ったり……。だが、なぜだか駅に看板の出ている「武器屋」が気になるので行ってみることにしたのである。

 「武器屋」。最近秋葉原でナイフを持ち歩き、銃刀法違反で捕まる輩が多いというが、ここは至って健全(?)な模造武器の専門店であった。しかしまあ、どうも武器にはなじみのない俺のこと。刀や甲冑が所狭しと並ぶ店内は武器を求める男たちでごった返していたのだが、甲冑に塗られた油がヌルヌルなのが気になって仕方がなかったのである。また、その対面が護身用品の店だったのは何かの皮肉だろうか?

 そして夕刻である。われわれは池袋に移動した。で、まず向かったのが「乙女ロード」とよばれる「腐女子」御用達の店が集まるスポットなのだが……。まあ何というか、ああ乙女なのねという感じである。そこにはその筋で有名な「執事喫茶」もあり、ぜひ闖入してみたかったのだが完全予約制。しかも店の前の看板には80分ワンセットの予約表が掲げられていたのだが、それも朝から晩まで完全満席。本当に朝から晩までひっきりなしに予約で埋め尽くされているのである。これには驚いた。そんなに接待してほしいのだろうか。まあメイド喫茶のほうが先に出来たのだから、男の方が接待されたい欲が強いのであろう。サンシャイン60の裏のベンチにはどうみても40がらみなのに萌え系の制服を着た「貴腐人」(こういう言葉があるらしいが、使い方がこれで合っているのかは不知)もいて、秋葉原に次ぐ新聖地の興隆を目の当たりにした気がした。

 で、今度はおて人(ちなみに、「おてじん」と読みます)氏と合流して飲み会へと突入である。今回は池袋西口の「GORGEOUS&GOTHIC DINING オペラハウスの魔法使い」を利用。16世紀のイタリア風(?)の店内でアツく盛り上がった。なんでもおて人氏、先頃「DE LA RIVA CUP」なる柔術の大会で優勝したそうで、まったく写真部出身者とは思えない活躍ぶりなのである。おて人氏は「写真部出身なのにどうして強いのか?」といぶかる知人に対して「写真部だから強いんだ」とうそぶいているのだという。素晴らしい。このほかにもエロストークや近況報告などで2時間あまりを過ごし、場所はお約束のカラオケ館へ。今回は割とアニソン風味は控えめだったか……。かくしてオフ会は無事閉会となったのであった。

 次回は川越説もあるが、まだ未定である。今回参加された方もそうでない方も、今後の告知にご注目いただきたい……!



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