恍惚コラム...

第366回

 仕事では、もうこれ以上ないというくらいカタい文章を書いている。例えばこうだ。(サーチエンジン対策のため伏せ字でご容赦を)
 「……スウェーデンから衛星生中継でプレゼンテーションを行った。その内容は2005年に設立された○○○○(ブ○ジル)におけるがん患者への顎○○補綴に関するものであり、このなかで○○○○氏は「イン○ラントはこれまで第三の歯列を提供してきたが、今後はそれに加えて失われた顎○○組織の再建も提供していきたい」「医科・○科のコ○ュニケーションのもと、学術界の垣根を越えていかなければならない」「オッセオイ○テグレーション・ファミリーとして、こうした取り組みを行っていくべき」とし、ノー○ル社の今後の展望を垣間見せた。その後、会場では最終日にいたるまで世界各国を衛星回線で結んでのライブ○○ェリーおよびディスカッションが行われ、聴衆はつぎつぎに繰り広げられるプログラムに耳を傾けていた……」
 といったものである。またときには、
 「……本図では、歯○○下の印○○得における圧○○の選択基準、およびその挿○法、本数について示した。印○○得以前に歯○の炎○を消○させることの重要性はすでに述べたが、そこで得られたフ○○ッシュラインを正確に印○○得するためには歯○○排の方法が決め手となる……」
 と言った具合である。何だか戦時中の検閲にあったような文章になってしまったが、まあこのようなものを書いているのだと思っていただきたい。

 こうした文章には高い客観性と規格性が求められるため、書いている最中も気が抜けないのである。ちなみにここでいう規格性とは、たとえば長い文章の中で使う言葉がブレてはいけないという意味だ。つまり、ある場所で「調整」と書いていたものを「調節」と少し違う言葉で書いてしまったり、またある場所で「及び」と書いていたものを「および」とひらがなで書いたりしてはいけないわけである。まあ考えてみれば至極当然のことではあるのだが、文章が長くなったり、文章を組み立てることに没頭しすぎると忘れてしまうことがある。また何より学術誌であるため、書いてある内容に間違いがあってはならないという点もストレスになる。

 と、いうわけで、ここから以降は憂さ晴らしのために今起きていることをそのまま書いてみることにする。本来、このコーナーはそうした目的をもっているのだが、初期の頃に比べて文体が変わってきているとは思わないだろうか? また、内容もカタくなってはいないだろうか? どちらが読みやすいかはともかく、今日は自分を解放して書き進めてみよう。

 つーわけで日曜の朝7時13分だ。なぜこんなに早く起きているのかといえば、これを書くためである。妻が仕事やらに出ていた頃はそれなりに1人になる時間があり、これを書く余裕があったのだが、今ではおかげさまでずっと家にいる妻。別に書いていることはバレバレだし、あまつさえ内容も読まれまくっているから良いのだが、やっぱり集中しなければ文章は書けない。で、毎週週末は早起きしている俺なのだ。

 朝は必ずコーヒー派な俺である。今飲んでいるインドネシア製の安いネスカフェには風味がない。ネスカフェエクセラ(日本製)にくらべてほぼ半値、業務用スーパーで手に入れたのはいいが、やはり日本製のほうがウマいという事実を確認する結果になってしまった。そういえばこないだアメリカ出張に行ったときのこと。ヤツらアメリカ人はなぜこんな薄いって何かカサカサ音がすると思ったら台所の隅のビニール袋のところにゴキブリ様が! 先週書いたエアスプレー攻撃をかましてみようか。でもキーボードを打っているので手が離せない。でもねー、距離が近いから結構気持ち悪いですお。引き出しの中に入っていった……今開ければ確実に捕獲できる自信はあるのだが……

 やっちゃいました。これは前回書いた失敗例。スプレーの風圧自体が強すぎ、G自体を流し台のすき間に押し込んでしまった(orz ときに、先週のアレを読んで実践されたかたはおられるだろうか? あそこでは結構褒めちぎっていた俺なのだが、スプレーの圧力コントロールを誤るとこうした結果になるのでご注意いただきたい。そういや昨日もゴキブリホイホイを買った。妻によれば数週間前に買ったGホイホイは満員御礼で、すべて捨てたとのこと。そこで新居を晴れて購入、また隅々に配置したのである。昨日の昼間に仕掛け、まだ中身は見ていないのだが、きっと良い結果が得られていることだろう。それにしても今見たGはでかかった。前回のクラシフィケーションによれば最終形態ということになる。Gは小さいうちに捕まえておくのがいいのか、それとも最終形態になるまで泳がせておくのがよいのか、どちらだろう? やっぱり卵とか産まないうちに捕らえておくのがいいんでしょうね。これが他の生き物に対する言葉なら恐ろしいが、相手はことGである。G。気持ち悪いといっても、それは見る人の問題にすぎないんでしょうけどね。つか何で俺はこんなにGの肩をもつのだろうか。

 妻が寝ぼけている。寝言が多いのである。今ではすっかり慣れているが、結構長い間しゃべるのでそれはそれで驚く。ただ、大概イヤな夢をみていそうなところが気になる。「どうして! どうしてなの!?」と今も言っていた。彼女の夢の中では一体何が繰り広げられているのだろうか。その言葉は、俺に投げかけられたものではなかったか。こうして朝コソコソコラムを書いている夫がイヤなのか? そうなのか? 妻はあるとき「作家になったら?」などと言ったものだが、こうして書いているものがおカネになるのなら許してくれるのだろうか。

 ……いかがだっただろうか。俺の憂さ晴らしにお付き合いいただき、まことにありがとうございました……。
 ちなみに来週、6月23日はオフ会でございます。秋葉原で僕と握手でございます!



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