恍惚コラム...

第352回

 もはや詳細な説明は不要になった、SNSサービスのさきがけ「mixi」。読者の皆様もそれぞれお楽しみのことと思うが、俺の勤め先ではこんなハプニングが生じている。

 ある晴れた昼下がり。隣に座っている俺の上司が何か考え事をしていた。まあ、考えるのが商売のようなものだから俺は別段気にもしなかったのだが、彼はその直後俺をランチに誘い、こう宣ったのである。「何かさー、結局mixiってどういうモノなの?」そこでよくよく話を聞いてみると、その日、mixiについて何も知らない彼のメールボックスに著者のセンセイからのマイミク申請が届いていたそうなのだ。「ニックネームって、どうやってつけるの?」「これって、絶対に本名で登録しなきゃならないの?」「そもそも、mixiの利点って何?」目上の著者から、突然謎のシステムへの入会を勧められた上司の狼狽ぶりはたいへんなものだった。

 結局、mixiにわりと初期から登録していた俺はその疑問の一つひとつに答えていったのだが、ここで俺はmixiのもう一つの難しさを感じた。そうでなくとも「ケツ毛バーガー」事件などで世間を騒がせたmixiであるが、このように「仕事上で付き合いのある目上の人」からのマイミク申請に対してわれわれユーザーはどのように応じたらよいのだろうか。結局その上司はまったく本名とは関係ないハンドルネームをつけ、プロフィールにもほとんど書き込まなかったのだが、本名などを晒しまくっている俺にはこれからどんな人が声を掛けてくるか知れない。仕事上で付き合っている人だから断るわけにもいかないだろうし、マイミクに入れてしまえば(俺は書いていないが)日記なども丸わかりになってしまう。当然マイミク申請を断るという選択肢もあるのだが、相手が自分という一個人を特定している状態でお断りするのも気が引ける。そして、以前にも書いたかもしれないが、俺はこうしたサービスに偽名で登録しては意味がないと考えている人間だ。あちらを立てればこちらが立たず。読者の皆様に、こうした経験はおありだろうか? ぜひ、ご意見を伺いたい。

 ……どうもオチがついてしまったようなので、今週はもう一本別な話をしよう。昨年の秋、ある大学時代の友人からEOS-1D(初代)を激安で買った話はすでにした(?)と思うのだが、先日再び彼から連絡があったのである。曰く、「レンズが余っているから買わないか……」これである。そのEOS-1Dにはタムロンの28-70mm/2.8(割と最近のレンズだ)がオマケとして付けられていたのだが、やはり「元」カメラマニアとしては不満が残る。その矢先にこの知らせだ。そして、そのメールをよくよく読んでみると、「EF28〜80mm/2.8L、EF24〜105mm/4 IS L、EF70〜200mm/2.8Lをそれぞれ●万円(安すぎて書けないっす)で譲りたし」と書いてあるではないか。

 俺は悩みに悩んだ。冬のボーナスから1ヵ月少々経ち、カネがあるようなないような微妙な時期。そして、いくら手許にEOS-1Dがあるからといって、ミノルタ様や京セラ(コンタックス)様への忠誠を捨てても良いものか……。しかし、ミノルタ様や京セラ様はすでにカメラの生産をおやめになってしまったし……、ミノルタAマウント(αマウント)は生き残ってはいるものの、やっぱりソニーのボディで使うのは違和感がアリアリだし……。キヤノンEOSを象徴する3本のLレンズとの狭間で、俺は揺れ動いた。これがどうでもいい安レンズであったなら、俺は即座にお断りしていたかもしれない。しかしである。こんな値段であんなレンズが手に入るなんて絶対にありえない。やはり、持つべきものは(カメラマン)本職の友人なのである。

 こうして、EF24〜105mm/4 IS L、EF70〜200mm/2.8L、そしてリストには加わっていなかったがEF100/2を総額大●枚で買ってしまった俺。ちなみに、EF28〜80mm/2.8Lは焦点距離がかぶるのでお断りした……。さあ、どんどんキヤノンに引き込まれつつある俺を嗤うがいいさ……。でもやっぱり赤ハチマキは快感だわぁ〜……。


 

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