第340回
先日来Windowsへの不満をいろいろ書いている俺なのだが、これに対して2名の方から対処法に関するメールをいただいた。曰く、メモリーの増設やユーティリティーの適用、はたまたWindowsの特性について……。いずれもパソコンを使い慣れている人であれば理解できる内容なのだが、何しろWindowsにはまったく暗い俺のこと。具体的なユーティリティーの名称やWindowsが本当に必要とするメモリーの量をご教示いただけるのはたいへん有り難い。頭で理解しているのと、実際にそれを実行するのでは大違いなのである。会社のPCなのでガワを開けるのは難しいが、まあできることから試していきたいと思う。この場を借りて、あらためてお礼を申し上げる。 ここで話は変わるが、この6日で31歳の誕生日を迎えた俺である。30を過ぎるともう周りの人に言いふらす気力もなく、せめて会社を1時間早く上がってみるか……というくらいの感慨しかないのだが、ここに来て改めて感じることがある。それは、俺自身があの頃使われてきた人々の年齢に近づいているということだ。 前職の清掃屋のチーフは俺が出会った頃30歳で、当時の俺はまだ26歳だった。前々職のカメラマンアシスタントの時の師匠は俺が辞めた時35歳で、当時の俺は23歳だった。さらに、学生時代のアルバイトを含めるといかに俺が30代の人に使われてきたかがよく分かる。また、今の勤め先にも30代の編集長がゴロゴロしているし、小中学校の先生方も当時30代だった人が多かったのではないか。自分ではまだまだ若いつもりでも、俺はかつて自分を指導してきた人々と同じ年代になっているのである。 若かった俺の目に映った30代は俺を指導し、あるものは家やクルマを所有し、そしてまたあるものは結婚して子どもをもうけていた。それに引き替え、今の俺は若い人たちの目にどう映っているだろうか? とりあえず、俺は今挙げた例のうち「結婚」という点しか実現していないが……。 そういえば、俺が間もなく席を離れる部署にも20代の「部下」が2人ほどいる。今の会社には当然中途入社だった俺のこと、入社当時には20代の「上司」が2人いた。しかしその一人はほどなく他の部署へと異動になり、さらにもう一人は産休でいつ戻ってこられるか分からない状態。その間に新しい人が一人、また一人と入ることによってところてん式に押し上げられてしまったのが実情だ。だから上司であるという自覚はとても薄いのだが、自分の20代だった頃を振り返ってみるとやはり下はそうは見てくれないであろう。20代と30代を挟む、広くて深い溝―どんなに小さい人間でも、年上というだけで立場が上になってしまうこの現実。先日もその「部下」に激しく叱責され(?)たばかりなのだが、亀の甲より年の功という言葉もある。これから行く部署の上司も俺の1つ年上だ。30代前半という、この情けなくも頼りがいのある年頃を楽しく過ごしていきたいものである。そして、40代になったときに俺がどう考えているかもまた楽しみのひとつだ。30代に使われているのか、それとも50代に使われているのか……ここまでほぼ3年周期で転職を繰り返してきた俺。その頃どこでどうしているか分からないが、少なくとも目の前にあるのはこの31歳の肉体と精神のみ。今日もハイライトとハードリカーの力で生き延びていく。 |