第302回
1999年以来、足かけ6年にわたって開催されてきた「しりとり専用掲示板オフ会」が昨晩で第20回を迎えた。往年のしりとりブーム(?)は残念ながら去ってしまった昨今だが、つっちー様をはじめとする各位のご厚情でここまで継続できていることについては感謝というほかない。そういえば、第1回もこの時期に行われたのではなかったか。それを思うとなぜだか偶然の一致を感じる昨今なのではあるが、ともあれ昨日のレポートに移りたい。 午後5時半。2週間以上の連続出勤に疲れた体で浮間舟渡駅に降り立った俺。前々から17日はオフ会とのことで、できるだけ仕事は入れないようにしてきた俺なのだったが、さすがは師走である。あらゆるセンセイ方がここぞとばかりに用事を入れてきて、ついにこの聖なるオフ会の日までも侵蝕されてしまったのだった。で、16時からの市ヶ谷での用事を適当にいなし、急いで駆けつけたその場所にはすでに参加メンバー各位―つっちー殿、マイザワ殿、スサキ殿が待っていてくださったのだ。ひとまず大遅刻は免れ、胸をなで下ろした俺。 今回、浮間舟渡などという渋い駅がチョイスされた理由はほかでもない。俺の勤め先の方が一押しの焼き鳥屋がそこにはあるのだ。「串鐵」―飯田橋に本店を持つその店は、一部の通(とはいってもウチの会社だけだろうが)の間で大ブームを巻き起こしている。まず、酒の安さ。生中380円(うろ覚え)という価格もさることながら、数多く揃った酒が安価で提供されていることには舌を巻く。そこで安酒ばかりかと思いきや、世界の各種ビール(450円くらい〜)や山崎10年(シングル480円)などが置いてある点もポイントが高い。そしてさらに驚かされるのがが豊富に揃った焼き鳥の味と価格だ。60円から130円の価格レンジのなかには定番の正肉やカワをはじめ、アスパラ肉巻きなどの色物や名物の「ぼんちり」(鶏の尾の部分だそうだ)が含まれており、どれを頼んでも外れナシなのである。もともと焼き鳥なんぞは食べられればよい、味に大差はないだろうと考えてきた俺にその神髄を教えてくれた店なのだ。ぬ〜。 と、いうわけでこの素晴らしいポテンシャルを誇りながらもなぜか空いている店内に闖入。テーブル席よりもやはり座敷が人気のようで、すでに4、5組の先客が盛り上がっていた。 席に着くやいなや、つっちー殿があるものを取り出した。飲み会での話題には事欠かない氏のこと、今度はどんなアイテムで楽しませてくれるのだろうかと思ったのだが、今回もその期待は裏切られなかった。氏がカバンから取り出してきたのは、「目玉のオヤジ汁」「メッコール」「亀ゼリー」「ジンギスカンキャラメル」……よくぞここまで俺の趣味を直撃するアイテムばかりを揃えたものだと感嘆させられたものだが、なんでもこれらはすべて大宮ロフトで揃えたのだという。むぅ、侮りがたし大宮ロフト。嫁さんに連れられてよく行ってはいるのだが、まさかこんな店があったとは知らなかったのである。 それらのアイテムを横目に、俺たちはさまざまな話題で語り合った。姉歯元一級建築士のヘアスタイルから最近のゲーム事情、そしてゲームギア専用のテレビチューナーの話などなど……就職を間近に控えたスサキ殿からはいよいよ禁煙との話も聞かれ、俺は身につまされた。しかし、いいかげん三十路を迎えたにもかかわらず、こうしてさまざまな年齢層の方々と世間話ができる関係はいいものである。俺はこのオフ会に参加する度に自分の若さを再確認(?)し、新たな話題をしこたま仕入れるのだった。 5時半からいい若い者が酒を飲むと、自然に始まるのがしりとりである。これは全宇宙の普遍的な法則であり、誰もこの運命を退けることはできないのだ。冗談はさておき、席上は自然とオフラインしりとりになだれ込んでいったのである。何年ぶりのことだろうか。ほとんどがエロスとアニメにまみれたこのしりとりを、周りの客はどのように聞いていただろうか……。 席が盛り上がってきて、マイザワ氏は言った。「子どものしりとりと違い、大人のしりとりは何時間でも続いてしまう……」蓋し名言である。2〜3周すればすぐに「ん」が出てしまう浅はかな子どものしりとりとは違い、大人のしりとりでは老獪な頭脳が豊かな楽しみをもたらしてくれる。本家しりとり掲示板のロングライフもこうした事情によって支えられているのだろう。結局、そのしりとりは1時間以上にわたって続いたのだった。 しりとりの途中、俺はずっとジンギスカンキャラメルに釘付けだった。テレビやネットでもすでに有名な、恐らく日本最凶のキャラメルが目の前に置かれていたのだから、俺の心中は穏やかではなかった。俺自身も以前テレビでその存在を知って以来、自らネット通販で仕入れようとしたのだからその執心ぶりがうかがえることだろう。席上、俺は誰がこれを最初に口にするのかとずっと考えていたのだが、何周目かのしりとりの最中、俺は皆にそれをすすめだしたのだった(自分のじゃないのに……スイマセン)。 結果。2対2で「食える」「食えない」が鮮明に分かれた。肯定派はつっちー氏と俺。否定派は残りの2人である。タイで本場のドリアンを食ってきた俺としては、あれはドリアン味の多少変化したものだと考える。圧倒的な甘さと、後味に残る「カセットコンロの周り」風の香り……(何のこっちゃ)。パッケージに印刷されたジンギスカンの写真を見なければ十分イケルと思った。不味さに期待されるお菓子というのもどうかとは思うが、思ったより食べられてしまう俺自身にほのかな物足りなさを感じてしまった。 3時間あまりの逗留で、1人4千円。その安さに皆が納得し、舞台は赤羽に移った。修士論文で忙しいスサキ氏を駅で見送り、今度は前々回のオフ会でデビューしたコモリ氏と合流。そこからは大カラオケ大会である。先客のカラオケ履歴に笑い、原画が登場しまくるカラオケ画面に酔った。やはりオフ会の締めはカラオケに限るのである。 そんなこんなで盛会のうちに終了した第20回オフ会。2005年度はこれにて終了だが、次回は来年2月中旬に予定されている。ますます進化するオフ会の今後に刮目いただきたい。 |