恍惚コラム...

第288回


 もう正確な回数を思い出すことすらできないが、昨晩もまた川越東高校写真部のOB会が開催された。幾度となく慎重な議論を繰り返してきた一部有志であるが、今回はひとまず「これまでに集まったOB諸氏の連絡先を生かし、本年12月末日までに把握している皆様を集めていちど飲み会およびOB総会(らしきもの)」を開催するという点で意見がまとまった。このあたりの詳細は川越東高校写真部掲示板に詳しいので、できればこちらも併せて参照して頂ければ幸いである。

 さて、今回も私見である。

 1か月ほど前に「これら一連の活動をひとまず凍結する……」と言った舌の根も乾かないうちにこうした話が出てくることに疑問を持たれる方もたしかにいるとは思うが、OBのアクティブな連絡先の取得に全力を尽くしてきた有志一同である。また、それらの住所は「OB総会や写真展の開催に向け……」という名目で集められたものでもある。このあたりでひとつイベントでも催さなければ、せっかくハガキなどを戻して下さった皆様への面目も立たないというものではなかろうか。何しろ、このままでは活動自体が風化していくことが明白な情勢になってきた。今回の写真部廃部劇を傍観する自由、看過する自由は当然ある。それを踏まえたうえで、現在集っている一部有志が行う活動への自由も認めていただきたいというのが俺の個人的な見解であり、願いである。誰かが走り出さなければアンチを唱えることも、「傍観」することもできないのだ。一部有志は、すべてのOB諸氏の経歴に華を添えるだけのことはきっとする。美しい、あるいは儚い思い出に傷をつけないような活動を推進していく。一個人として、また有志団体として、あの敷居を胸を張って跨げるような会と活動内容を目指していく。

 また、その集会への参加イコール一部勢力への参加という意味ではないことも併せて申し上げておかねばならない。おおくの学校組織にOB会というものがあり、その会員たる要件はその組織を卒業などで脱退した人間であるという点である。そのセオリーに従えば、まだ組織化されていないとはいえ川越東高校写真部OBはすべてOB会会員という言い方もできるのだ。卒業生であれば当然経験されていることと思うが、申し込んだ覚えもないのに高校から同窓会のハガキが送られてきてはいないだろうか? いつの間にかホームページには同窓会のコーナーが設けられ、誰も知らない(失礼)藤崎某という人物が会長に据えられている。今回の写真部における騒動とは若干毛色が違うものの、俺はOB会というものはこうしていつの間にかできてしまっていてもよいものだと思いだしている。この、川越東高校同窓会に義憤を感じたりする人がどれだけいるだろうか? 先述のとおり、それ自体が存在していなければ賛成意見も反対意見も唱えられないわけであるし、まずは屋台骨を組み上げるべき時期にさしかかっていることを実感している昨今なのである。

 当然、ここにおいては活動内容に対する厳正な審議が必要になることは言うまでもないことだ。しかしこのOBイコールOB会員という考え方にしたがうならば、現在起きている派閥問題のようなものも解決し、従来から議論の的になってきた学校側との交渉関係、また写真展の開催関係にも突破口が開けるような気がしてならない。会の体制や会則、および活動資金の問題、そして誰をトップに据えるかという問題は残るにしろ、俺個人としては「OBイコールOB会員」というコンセンサスが得られるよう努力していきたい。創部20年にして潰えた写真部OBの消息をすべて把握することの困難さを、われわれ有志はこの4ヶ月余で痛感してきた。名簿に登載するか否かで小さな諍いが起きてきたことも事実である。今後は大所高所の見地に立ち、もう少しゆるやかなつながりを模索していきたいものだ。

 また、12月末という期限についてはまったく根拠がない。ただ単に住所の調査開始から半年後、という切れ目を重視した結果であるので、この点については読者諸氏からのご意見をぜひ伺っていきたいと思っている。何しろ、忘れてはならないのは「OB会はOB全員のための組織である」この一点に尽きるのだから。


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