恍惚コラム...

第283回


 かねてから「川越東高校写真部掲示板」などで告知されていたとおり、昨日もまた川越東高校写真部のOB会が開催された。もう何度目になるかは失念したが、今回も参加者(5名)による熱い議論が交わされたことは言うまでもない。毎度毎度、様々な案が生まれては消え、それこそ終わりの見えなかったこの会。しかし昨日は5時間にもわたるノンアルコール会議のすえ、ある意味勇気のある議決がなされた。

 その議決とは……すなわち、これまで一部の有志が騒いできた計画(写真展など)をすべて凍結し、さらなる意見の集約と人員の拡大を図ってゆくというもの。すでに同掲示板にはすさき氏からの書き込みがあるのでご存じの方も多かろうと思うが、ここではあらためてその経緯と考え方について語っておきたいと思う。

 同掲示板には昨今、部外の皆様からの貴重なご意見を賜っている。それらの意見はあの高校の内情や雰囲気を客観的に理解したうえでなされており、なおさら心に沁みる。しかし、同掲示板が肝心の写真部OBの声を拾い切れていないことは明らかである。そのために一部有志はハガキや電話連絡などでOBの結束を図ろうとしてきたわけであるが、その効果にも限界があった。当然、転居してしまった皆様やインターネットへの接続環境をお持ちでない皆様に対する周知も十分になされてきたとはいえない状況である。「誰が主体」と決めるわけにはゆかないこの状況下にあって、効率的・能動的な行動をとることは困難であった。

 また、インターネット掲示板上での発言に対する躊躇があることも当然理解している。文字のみで意見を伝えることの困難さを俺はこの掲示板上であらためて痛感したし、「言いっ放し」にできない厳しさが掲示板にはある。発言の内容がすべて記録されることは掲示板ならではの美点であるが、それは同時に発言に対して相応の責任を持たねばならないという意味をも含んでしまう。つまり、これが建設的な意見の醸成を阻んできたのだ。某匿名掲示板群とは違い、気軽にものを言うことができない世界なのである。私見であるが、同掲示板の読者は相当に多いはずだ。顔と顔を突き合わせれば話せる仲間たちが、こうした文字ベースのコミュニケーションになると発言できなくなることについて俺は今や当然だと思う。考えてみれば、常連ばかりの掲示板に出てゆくのはこの板に限らずかなり勇気のいることだろう。このように単純なことを俺は忘れていたのだ。

 実際、OB会やOB相互の直言でしか情勢は動いてこなかったのである。掲示板をはじめ、インターネットの効用を否定するものではまったくないが、われわれOBはもうすこし腰を据えて世論を醸成し、できる限りOBメンバーの拡充と結束を求めるべきだと考える。その成果をどこに、いつ、どれだけ求めるかは不知だが、もうすこし意見を集約する時間が必要と思われるのだ。

 これをお読みの方にとっては、「9月写真展と言いながら、ここまで来て取り下げるのはどうか」「そもそもお前たちにそれを取り下げる権利はあるのか」「『9月のOB会と写真展を目指し……』というハガキを見ている皆様にどう申し訳を立てるのか」「そもそも、『議決』とはどういう言い草か?」というご意見もおありだと思う。

 だが、こうしたファンダメンタルな議論を置き去りにしてきたのが現状なのである。上のような疑問があれば、今こそ有志にぶつけるチャンスである。逃げ腰に見えるかもしれないが、ここでいったん話をリセットしたいというのが本音なのである。今から急ごしらえで学外写真展を行いたいと思うほど有志は浅薄でないし、学内ゲリラ写真展などをねじ込めば2度とOB会の敷居をまたげなくなるのは確実だ。だからこそ、有志は冷却期間をここに望むのである。いつまで待つべきかも含めて慎重に話を進めてはゆくが、今後ともどしどしご意見を賜りたいと思っている。ちなみに、OBの所在については従来どおり確認作業を進行してゆきたいと思っておりますので、こちらも併せてお願いいたします……。



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