先週は下品かつ脳天気に「G」の話などを書いたのだが、まだまだ写真部の話をやめるわけにはゆかないようだ。廃部以降、関係者の注目を一身に集めている写真部専用掲示板に、ついに現役生が登場したからである。はじめは幣サイトの掲示板に登場されていた「水猫」氏。期末試験を終えた最近では本家掲示板にステージを移し、7月7日、8日の2日間にわたって意見を頂戴している。まずはこの場をお借りしてお礼を申し上げたい。「現役生」「部活名」「部活サイトのURL」といった属性を明示したうえでの発言の信憑性はたいへん高いものだし、それにかかる覚悟や勇気も相応に必要であったろう。本来ならば掲示板上でお返事をするべきところなのではあるが、本日はあえて自分の勝手サイト上で私見を述べさせていただく。
水猫氏は多岐にわたる質問をわれわれOBにぶつけてきてくださった。OB連はこれについて様々な感想をお持ちになったにちがいない。しかし、そこにはコンセンサスのとれた回答がないのが現状である。現役生の声に触れて、返事をしたくないOBなどいないはずだ。しかしレスが伸び悩んでいるのは、そしてほかでもない俺自身が掲示板上ではなくこのコーナーを選んでいることは、現在の写真部OB連が抱えるジレンマを象徴している。
これから述べてゆくのはあくまで私見である。俺はここから水猫氏の質問に1問1答形式で答えてゆく。いちOBの意見として、水猫氏にもOB諸氏にもごらんいただきたい。これを契機に、写真部OB相互の結束が深まることを期待するものである。
●「現役生の一部が写真部OBに不満を持っているのは確かだし、それは当然の結果だと思います。そのほとんどの原因はポスターだと思います。貼る量が多すぎなのではないかと感じました。判子が押されていたので本部や先生方が剥がすことはありませんでしたが、少し逆効果だったのではないでしょうか?」
―ポスターに関し、OBはインパクトの強いものを作成するよう努めました。写真部廃部の危機に瀕しては、できるだけ現役生諸氏の認知度を高める必要があると感じたからです。そこでOBは、生徒会や職員による「ボツ」を覚悟で大量のポスター案を作成したのです。しかしながら、そのポスターの多くは意外にも審査を通過し、現在でも廊下などに張られ続けていることは周知のとおりです。これについて、逆に「ウザイ」という意見も散見されますが、ろうそくの火が消える直前には炎がかえって大きくなるのと同様、「最後の悪あがき」としてご笑納いただきたいと思います。結果として部員は誰も来なかったわけですが、個人的にはこれについて後悔はしておりません。ただ、その程度(枚数)についてお叱りを受けるならば仕方ないと思います。ポスターが今後いつまで掲示されるのかは私の埒外ですので、生徒会の先生や元写真部顧問の先生に伺ってみたらよいかと存じます。
なお、5〜10年前まではああいった趣味のポスターが多くの部員を呼び込んでくれたものです。非常に大きな効果がありました。当時のセンスが通用しない現状に、OBは頭を抱えています。
●「現役生の部員が集まって活動を再開することについてですが、物理部としては予算の関係上あまり望みません。」
―物理部の活動もそうだと思いますが、写真というのは撮れば撮るほどお金のかかる構造をもった(趣味・行為・表現)です。私は会計職についたことも生徒会の委員になったこともないので不知ですが、部費というのはあくまでひとつのパイを部の数で割るものなのでしょうか?部が増えれば、学校側としても考慮はしてくれるものと考えます。また逆に、写真部が廃部となったことで他の部の「分け前」は増えたのでしょうか? もしそうなのであれば、それは文化部相互のためにならないシステムだと私は考えます。
ちなみに1990年前後、写真部には学校側から年額15万円程度の部費が支給されていたように記憶しています。その他文化部に対する現状はいかがでしょうか。最近では大幅に減額されているような話を聞きますが、それは学校本体の姿勢こそが問われるべきでしょう。
●「しかしOBが集まって活動するのは、少し抵抗があります。別に悪いことではないと思うのですが、理由は分かりませんが何故か好印象を受けません。過激なことは控えた方がいいとしか言えません。」
―これについては、OBのなかでも大きな議論が起きています。「20年も続いた部活を簡単に潰させるものか」「なくなったものについて深追いするのは如何なものか」「もう関係者ではないのだから、意見する資格はない」……など。
包み隠さず言えば、廃部の前後には過激な一部勢力(私自身も含みます)が尖鋭的な行動をしてきた事実があります。しかし、その活動はOB内部の慎重な人々の、貴重な意見で中止されました。従来、OBたちは顔を覚えていて下さる先生方のおかげで顔パスで遊びに行けたのですが、時代はもはやそうしたOBをうとましく思うようになったようです。今後は、もう「過激と目される」行動は不可能ですし、するべきではない段階に入っています。よほど重要な用件がないかぎり、OBがたむろする姿を見ることはないでしょう。
●「先生方は写真部OBに対してあまりいい態度ではないようですが、顧問の先生はどうなのでしょうか?もし、顧問が写真部に新入部員が入るのを拒んでいるのでしたらいつになっても部員は集まらないと思います。」
―これは誤解です。写真部再建の件に関しては残念な結果となりましたが、写真部員はそれぞれの代でめざましい活躍を遂げ、先生方にはたいへんかわいがっていただきました。先生方が我々を憎んで写真部を廃部にしたのではないことは明らかです。親しい先生に、ぜひ写真部に対する印象を訊いてみてください。その回答に、私は自信があります。なお、元顧問の先生には「拒む」権利はもはやないでしょう。他の部の顧問に就任した以上、それは無理なのではないでしょうか。
●「入学直後に興味を失ってしまったのは、部員がいないのも確実に影響していると思いますが、部活動紹介に誰も出てこないからではないでしょうか?」
―水猫様は現在2年生とのことなので、これは恐らく昨春の出来事だろうと拝察します。これは写真部が健在だった頃からの問題であり、かねてから幾度も検討されてきました。しかしながら、「部活動紹介は、ほぼ平日の午後に行われる」―この条件が、大学生、浪人、社会人から部活動紹介を遠ざけてきたのです。不思議なことに、毎年毎年部活動紹介の日に休めるOBは出現してこなかったのが事実です。毎年、誰かを出そうと努力はしてきましたが、ここに目に見える形で意見を述べられたことに際しては残念と言うほかありません。
●「もちろん、入ったらほったらかしというは駄目です。またOBがうろうろしていると何か小言を言われるかもしれません。(中略)でも、もし現役生が入ってきたならこそこそなんてしないで通って下さい。僕は歓迎したいです。」
―これを書いている私は昭和50年生まれの今年30歳になるものですが、やはり後進の指導は大学生が行うのが現実的だと思っています。私自身も大学生時代にはしょっちゅう高校の方に顔を出し、指導とも趣味ともつかない活動を行ってきました。こうした伝統は今、途絶えています。しかし、廃部になってしまった今の「写真部」を再興してくれる現役生が現れれば、OB連は全力でサポートをすることでしょう。OBには後輩の指導経験がある者も、指導された経験がある者も揃っています。ですから、もし知り合いに写真部に興味のある方がいるならば、どんどんすすめてあげて下さい。
●「今年の翔鷺祭で写真部は写真の展示を行うのでしょうか?」
―「現状」では「ほぼ」「行わない」と答えておきます。OB連は今後の川越東高校との関わり方に関するコンセンサスを得るために多くの時間を費やしており、現在もその最中です。これは「過激な行動〜」という話とも関連があるのですが、「生徒ではない人間が」「生徒会や先生方の手を煩わせて」「無理に高校で展示を必要があるのか?」という基本的な議論に決着がつかないのです。結局は学校の外で行う方が現実的かもしれないと個人的には考えています。もちろん、水猫様に何か策がおありならばご教示下さい。
●「暗室が割り当てられないかもしれませんが、暗室では何かしらやるのではないかと思っています。(中略)でも、生徒会本部として最も嫌がるのが、「急」だと思います。どんなことでも急に事が起こると対応が出来ません(後略)。」
―この件に関しては、OB連も重々承知しています。ですから、学校側にこれ以上迷惑をかけないためにも、おそらく今後学校側に申請が行くこともないでしょう。暗室を使うとしても、展示は行わずにOB連が思い出話をするにとどまると思います。結局、いずれは翔鷺祭展示を行うとしても今年は難しいという結論になるのではないでしょうか。
以上、私見です。
2005年7月10日 若林茂樹 拝
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