第266回
さて、初の「全日」オフ会と相成った今回。集合は何と朝の秋葉原である。ある意味このメンツにもっとも相応しい場所であるにもかかわらず、今まで一度もこの地で開催されなかったのが不思議なくらいである。で、集合10分前の電気街口に降り立った俺は、千代田区の路上禁煙条例を恨みながら「Beck's」にチン入しようとしていた。しかし、まさにその時である。全身スーツ姿で柱の陰に隠れるべんしゃあ氏を発見したのは……。聞けば、前日の大学(院)の卒業式から不眠不休でやってきたのだそうだ。何でオフ会にスーツ……と思ったのだが、そういう事情だったんである。んん〜、若いってステキだ。ステキすぎる。俺が真似したらきっと心臓がゴキゴキ鳴り出して瀕死状態になるであろう。それからしばし雑談を交わしていると、つっちー様、後三条友美氏も続々参集。で、当面のメンツを揃えたわれわれは最初の目的地である「交通博物館」に向かったのだった。 万世橋のふもとにそびえ立つその博物館。今思えば小学生の時分に友達と行こうとして頓挫したような記憶もあるのだが、この歳になって初の入館である。幻の「万世橋」駅の跡地に建っているだけあって、そこには鉄道を主体とした交通の歴史が満載。310円という異常に安い入場料を払ってチン入すれば、いきなり蒸気機関車がお出迎えなんである。そしてその目の前には、「鉄道博物館に関するアンケート」用紙が。なんでもこの博物館、近々さいたま市に移転するんだそうである。そしたらまたそこに行くんだろうななどと思いつつ館内を散策する一行。どんな分野でも突き詰めてみると面白いもので、特別展示「東京駅開業90周年記念 東京のターミナル形成史」を楽しく見た。階が上がるにつれてだんだん地味になっていく展示内容にまったりしつつお昼時を迎えると、赤ちゃんを抱いた男の人がすすんで記念写真のシャッターを押してくれた。なかなかいい所だったわ……。 万世橋といって忘れられないのがやはり「肉の万世」。秋葉原という萌えの聖地にそそり立つそのビルは秋葉原第2(?)の聖地・肉の聖地なのである。普段はなかなか踏み入れることのできないその建物なのであるが、今回は後三条氏の薦めにより、そこで昼食をとることになっていたのである。「階が上がるほど値段が高くなる」という後三条氏の弁どおり、エレベータの中にはしっかり「階別の値段」が表示されていた。地下のランチは5百円そこそこなのに対し、10階だかは5千数百円。さすがである。まるでパソコンのスペック表を見ているような単純明快ぶりだと言えよう。結局、一行は4階で落ち着くことになり、1,300円ほどの各種ランチに舌鼓を打った。当初は「万世橋の景色を見ながら……」という目論見だったのだが、喫煙席を希望したばっかりに奥の間に通されてしまったのは痛恨の極みだ。非喫煙者の皆様、申し訳ない……。 で、それから午後は秋葉原の喫茶店をはしごしつつ路上のジャンク屋を冷やかしたりして過ごしたのである。まあこのメンツだけに、何をしていたかは読者のご想像におまかせしよう。それはそれは濃ゆい昼下がりを過ごしたことは言うまでもない。 午後4時からは上野に移動してカラオケであった。そこからはTek氏も合流し、総勢5名。遅れても毎回律儀に参加してくださるTek氏の心意気に感謝である。店員の素っ気ない(?)対応にプチ切れしつつ、昼間からビール。正月でもめったに昼間からは飲まない俺なので、ボルテージは即座に最高潮に達してしまった。徹夜明けのべんしゃあ氏を除く全員がその場で飲み出し、いつもの2次会のような雰囲気に突入していった(ホントはすでに5次会!だったのだが)。頼みもしないのに曲間にアニメの主題歌ビデオが流れるその部屋はまさにおあつらえだったわ。3時間をあっという間に過ごすことができたのである。 そこで場所は突然南浦和にワープする。上野でそのまま飲み続けても良かったのだが、何しろ全員が埼玉県民の本会である。心は常にさいたまさいたまさいたまー!なのである。週末の居酒屋はどこも満員で、庄や、一源、白木屋などで次々に撃沈。これまでのオフ会のなかでこれほどまでに店が確保できなかったことはなかったので正直驚きだったのである。数件の居酒屋を渉猟してたどり着いたのは……どこだったか。本当に忘れてしまったのだが、そんなことは些細なことなんである。5名で座敷に座り、天ぷらの注文を忘れられたり酒がなかなか来ないという困難に立ち向かいながらするのはまったく屈託のない会話であった。隣のオールドミス(?)と中間管理職風情が熱く仕事の話を語っているにもかかわらず、こちらはキュ○ホワイトをパフェに乗せてみたり、三条友美「少女妻の実験室」ソーセージが出たらどうする、はたまた小社が球団を買収したらどうなるか、などといった妙な話ばかりをしていたのである。そんな6次会は10時半ほどで散会となった次第。 従前から申し上げているとおり、常連さんの中から新入社員が続々と生まれる時期になってしまった。今までずっと学生だと思ってきた皆さんが地方に出ることも多くなり、これまでの雰囲気で行えるオフ会はこれで最後かもしれない。それを思うとまったく寂寥の念が募るわけなのだが、今後とも機を見ては集まっていきたいと思うのである。春―それは出会いと別れの季節なんですねえ。ちょっとしんみりしたところで今回は〆。次回は6月〜を予定してますです……。 なお、来週の本コラムは作者取材のため休載とさせていただきます。川越東高校の危機を救うべくOBたちが立ち上がる!詳細は再来週にて……。 |