恍惚コラム...

第263回

 第17回しりとり専用掲示板オフ会は昨日(2005年3月5日)に開催されるはずだったにもかかわらず、俺の個人的な事情で延期になってしまった。皆様にはこの場をお借りして、改めてお詫び申し上げたいと思う。何とか皆様のご意見をまとめて26日に延期される運びにはなったものの、むしろこれで逆に参加しづらくなった御仁もおられるだろう。繰り返しになるが、これに懲りずに是非ご参加いただきたいのである。

 それにしてもホント、昨日は延期にしておいて良かったわぁ……。数週間前までは「まあ、全日参加は無理でも夕方には何とかなるっしょ」くらいの気持ちでいたのだが、いざ仕事が始まってみるとそんなヌルいものではなかったのだ。書名と発売日はトップシークレットなのであえて秘すが、現在大冊の編集チームに入っている俺。2月最終週から連日深夜のタクシー帰りが続いているのだが、これがもう大変でなぁ……昨日も結局、昼過ぎから午後11時過ぎまで大編集大会。現役開業医数名を会議室にカンヅメ状態にしての校正責めである。俺も分かったふりをしてゲラを読んではいるのだが、頭はすでにトランス状態。専門用語全開のそのゲラは一般人にとってはかなり難解なものなのだが、そこにいる歯科医師たちはそれを肴に侃々諤々、少しも眠そうな素振りなどは見せないのである。いやはや、歯医者になった上に本の編集に携わろうなどという人々はどこか違うのである。歯科医師というモロ理系の職業と、書籍編集という文系まっしぐらの仕事。その水と油を併せ持つ彼らは見ているだけで何だか楽しくなってくる。性格もそれぞれさまざまで、やたらとゲラに付箋を貼り付けては他人の意見待ちにする人もいるし、はたまた黙々と自分の持ち分をこなす人。それを仕切る親方役の人……。まさに社会の縮図といった趣なのである。

 また、俺自身がゲラに疑問点をもって付箋を貼り付けてしまう事もあるのだが、この後がまた大変なのである。
 「この付箋貼ったの誰?」
 「私ですが」
 「このページ、表組が次のページに追い出されちゃってるけど、何とかならないの?」
 ……なりません。だって、自分が本文を伸ばしたんじゃなかったのかしら!?
 「いや先生、ここの処置の前に浸潤麻酔を足しましたので……」
 「んー、そっかー。(他の先生に)先生、ここどうします?」
 (しばらく議論白熱)
 「んー、じゃあやっぱこれ外して、表を元に戻しといて。」
 ……いいのかな〜。何だか俺の意見で動いてる気がするし〜……。

 それから、
 「ここの『ブロックすぎ』ってどういう意味?」
 「いや、ですからここは先日の会議で先生方が『処置の箇所が偏りすぎ』というお話をされていましたので……」
 「んー、そっかー。(他の先生に)先生、ここどうします?」
 (再び議論白熱)
 「んー、じゃあここのSRPは○番と○番で行くことにして、そうなると次の処置は……で、いいよね?」
 「ええ、よろしいんじゃないでしょうか」
 ……あ〜また俺の意見で話が進んでるし〜。どうなっても、アタシ知らないから(宇能鴻一郎風)。

 とまあ、厳しいながらもなかなか乙な感じで進んでいく編集作業なのである。この間にもお茶くみや弁当の手配、またコピー取りや作表も命じられるのでまったく気は抜けない。この成果をぜひ読者の皆様にも知っていただきたいと思うのだが、競合他社との関係上、本書名およびスタッフ名、発売日は超秘密。春先に、近所のブックオフでそれっぽい本が売られてたら俺のしわざだと思って下さい(爆)。とっても厚い本だとだけ言っておこうか。

 いずれにしろ、これが終わったら爽やかな気分でオフ会に参加できることだろう。それを励みに頑張ってまいりますので、皆様どしどしエントリーのほどを……。



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