あとがき

 かねてからこのような冊子を著そうと思っていた。写真の適当な解説書というのは案外数が少なく、値段も高いためになかなか入手できないからだ。特にこの書のように現像データを一望出来るものはほとんどなかったと思うのでその点は買いだと自負している。本当は撮影テクニックの話まで書きたかったのだが、気が付いたらここまでで80ぺ一ジにもなっていたので別の機会に譲りたいと思う。これ以上書くとホチキスで綴じられなくなるからな。しかし、いかがなものであろうか。OBの老婆心で書いたこの冊子が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いである。だが、写真部の美しい伝統は先輩から後輩へと口述で伝えられるのが本当の姿であると思う。この冊子はあくまでそのための補助的な手段になりえるに過ぎない。とくに図版が少ないため現像・プリントの項では絶対に経験者の助言が必要であるし、各部によって使用されている設備も違うのでその点においても先輩・顧問方の適切な指導が求められる。この冊子によって高校写真部の衰退に少しでも歯止めが掛けられることを願ってやまない。

1996年7月
筆者

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